今回読んだのは、『やせ姫』(宝泉薫著)です。
拒食症や摂食障害を抱えた女性たちへの取材をもとに書かれたノンフィクションですが、私が受け取ったのは「痩せる方法」ではなく、「自分との付き合い方」を考えさせられる1冊でした。
※この記事は私個人の体験と読書感想です。摂食障害の現れ方や感じ方には個人差があります。
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「やせ姫」というタイトルを見たとき、私は勝手にこう思っていました。
拒食症で極端に痩せた人たちの話。
自分には到底できないほど、自分を律し続けた”師匠”のような人たちの話。
私は昔、食べないことで体重を落としていた時期がありました。
だからこそ、「ここまでできる人たちはすごい」と、どこか尊敬する気持ちさえ持っていました。
でも、実際に『やせ姫』を読んでみると、そこに書かれていたのは「痩せ方」ではありませんでした。
そこにあったのは、食べることと生きることに苦しみ続けた人たちの物語。
そして私は、その本の中に、自分自身を見つけました。
「食べることは悪」という価値観は、いつから始まったのだろう
中学3年生で部活を辞めてから体重が増えました。それまで体重を気にしたことはありませんでした。
でも高校生になる頃には、「周りから太っていると思われている」と感じるようになり、食べることを我慢するようになりました。体重は減りました。すると友人から、「ズボンがはちきれそうだったよね。」「すごかったよね。」そんな言葉をかけられました。その瞬間、「やっぱり私は太っていたんだ」と確信しました。
そこから私の価値観は少しずつ変わっていきます。
食べることは悪。
食べない私は自己管理ができている。
食べずにいられる私は完璧。
今振り返れば、それは認知のゆがみだったのかもしれません。
でも当時の私は、それが正しいと信じていました。
痩せれば、自分に価値があると思っていた
痩せると周囲の反応は変わりました。
異性から声をかけられることも増え、彼氏もできました。「痩せれば評価される。」そんな経験が積み重なるたびに、体重は私の価値そのものになっていきました。
一方で、私は子どもの頃から周囲の評価にも敏感でした。姉はとてもきれいで、高校時代にはファンクラブがあったほど。兄も人気者でした。そんな兄姉の妹だった私は、「似てない」「期待していたのに」と言われることもありました。もちろん、それだけが理由ではありません。でも、そうした経験も、「見た目で評価される」という思い込みを強くした1つの要因だったのだと思います。
出産しても、認知のゆがみは消えなかった
30歳で出産しました。母親になると、自分1人のためだけに食事を抜く生活はできません。子どもと一緒に食事をする毎日。若い頃のように「食べないダイエット」は続けられなくなりました。それでも、「痩せなければ」という気持ちは消えませんでした。40代になると、さまざまなダイエットにお金も時間も使いました。
「こんな自分ではいたくない。」
「痩せれば変われる。」
そう信じていたからです。でも、何より変えなければいけなかったのは体重ではなく、「自分を体重で評価する考え方」だったのだと、今は思います。
『やせ姫』を読んで初めて、「私も1人じゃなかった」と思えた
『やせ姫』の中で印象に残ったのは、「摂食障害は極端に痩せた人だけではない」ということでした。
私は長い間、「私は太っているから違う」と思っていました。
でも、食べることが苦しい。
食べることに罪悪感がある。
食べることと自己価値が結びついている。
それもまた、摂食障害の1つの苦しさなのだと知りました。
私は初めて、「私だけじゃなかった」と思えたのです。
昔の私は「食べるな」と書いていた
若い頃、私はノートに「食べるな」「我慢」と書いていました。
食べないことが正義でした。
でも今、食事日記に書いている言葉は違います。
「焦るな。」
「自分を信じよう。」
体重が思うように減らない日もあります。食べすぎたと思う日もあります。そんな日は昔なら絶食していました。絶食も若いころのように何日も続きません。食べていないのに体重が減らない、頑張っているのに痩せないという結果から爆食になり、諦める自分。
でも今は、「また同じことを繰り返す」と分かっています。絶食しなければという気持ちを抑えて、プロテインを飲み、タンパク質を意識し、犬と歩き、行ける日にジムへ行く。
完璧を目指すのではなく、続けることを選んでいます。
自分を好きになるために
私は今も体重を気にします。鏡を見るたびに落ち込みます。
認知のゆがみが消えたわけではありません。
でも、1つだけ昔と違うことがあります。
私は、自分を責めるより、自分を理解しようとしていることです。
食べる自分を許したい。
焦らなくていい。
昨日より少し前へ進めたら、それでいい。
いつかまた、ジーパンとTシャツを気持ちよく着られる自分になりたい。
そして何より、鏡に映る自分を安心して見られるようになりたい。
『やせ姫』は、私にとって痩せ方を教えてくれた本ではありませんでした。
長い間、自分を苦しめてきた価値観に気づき、自分との付き合い方を考え直すきっかけをくれた1冊です。
もし今、食べることや体重、自分の価値に苦しんでいる人がいたら、伝えたいことがあります。
あなたは、1人ではありません。
私も、そうでした。今もそうです。痩せている自分でないと自分は存在してはいけないような感覚はあります。
でも今も、「焦るな。自分を信じよう。」と自分に言い聞かせながら、1歩ずつ歩いています。
もしこの記事を読んで「私も読んでみたい」そう思った方は、こちらからご覧ください。
※この記事は私個人の体験と読書感想です。摂食障害の現れ方や感じ方には個人差があります。
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